「てんとう虫」の相性で親しまれた昭和の名車スバル360。
360ccという限られた小容量エンジンと軽四輪という小さな車体、そこに大人4人を軽快に乗せ、時速
80km(キロメートル)で走行させる。
通産省(現・経済産業省)の「国民車構想」に呼応し、富士重工業は前例のない車作りに挑戦した。
だがその工程は決して楽なものではなかった。全く白紙の状態から部品ひとつひとつを手づくりで作っ
ていくに等しい作業が続けられた。そこには、車体構造や材質など航空機メーカーならではの新機種が
盛り込まれていた。
苦難の末、完成したスバル360は、50年を経た今でも、真の意味での「国民車」として語り継がれている。
 
「スバル360はモデルチェンジ致しません」とは、発売十周年に富士重工業から出された宣言。事実、その基本フォルムはほとんど変わっていない。だが、改善と改良の努力は常に続けられてきた。今回、年表に青い文字で記されたのはスバル360の年式である。文字をクリックすることによって、販売台数や販売期間、詳細な改良点などを見ることが出来る。いわば、スバル360の履歴書である。また、年表中の赤い文字で記されたのはスバル360のバリエーションモデルである。文字をクリックすることによって、「メイド・イン・ジャパン データベース」で詳細な情報を見ることが出来る。
 
 
1955 通産省「軽自動車育成政策概要(国民車構想)」発表(5月18日)
  「軽四輪車計画懇談会」 コードネームK-10に決定(12月9日)
1956  
1957 スバル360試作第一号完成(4月20日)
1958 スバル360K111型発表(3月3日)
  スバル360 58年増加試作型東京地区発売開始(5月1日)
  スバル360 58年後期型発売(7月)
大阪地区発売開始(7月)
  スバル360 59年前期型発売(12月)
1959 スバル360 59年後期型発売(7月25日)
  スバル360 60年前期型発売(8月)
  スバル360コンバーチブルK111P型発売(9月)
  スバル360コマーシャルK141型発売(12月)
1960 スバル360 60年後期型発売(1月)
  スバル360 61年前期型発売(9月)
  スバル450セダンK212型発売(10月14日)
1961 スバル360 61年後期型発売(3月)
  スバル360 62年前期型発売(9月1日)
スタンダード(STD)、デラックス(DX)の2車種
1962 スバル360 62年後期型発売(3月)
  スバル360 63年前期型発売(9月)
1963 スバル360 63年後期型発売(3月3日)
  スバル450デラックス発売(5月10日)
  スバル360カスタム・デラックスK142D型発売開始(8月15日)
  スバル360 64年前期型発売(9月)
  スバル360スーパーデラックス発売開始(12月)
スバル360オートクラッチ付きK111DM型生産開始(12月)
1964 スバル360 64年後期型発売(2月)
  スバル360オートクラッチ付発売(4月)
  第二回日本グランプリレースのT-1クラスでスバル360が1位、2位を独占(1964年5月3日)
  スバル360 65年前期型発売(7月1日)
  スバル360 13型発売(11月)
1965 スバル360 14型発売(2月)
  スバル360 26型発売(8月)
  スバル360 26R型発売(11月)
スバル360カスタム・スタンダードK142R型発売開始(11月)
1966 スバル360 38型発売(9月30日)
1967 スバル360 39型発売(3月)
  スバル360 40型発売(9月)
1968 スバル360 41型発売(4月)
  スバル360 52型発売(8月)
  スバル360対米輸出開始(10月13日)
スバル360カスタム日本電信電話公社仕様生産開始(10月)
  スバル360ヤングS K111-27B型発売開始(11月1日)
スバル360ヤングSS K111-28B型発売開始(11月30日)
1969 スバル360 53型発売(4月)
  スバル360 54型発売(10月)
スバル360 54改型発売(10月)
1970 生産発売終了(5月)
 
伊勢崎第二工場で完成した実物大油粘土モデル(1956年)
日本橋・白木屋デパートで行われた発表会(1958年3月28日)
スバル360コンバーチブル
(1959年9月)
屋根とリアの幌を展開してオープンタイプにできる
 
バル360コマーシャル(1959年12月)
後方のサイドウインドも開閉でき、荷物の出し入れを容易にした
スバル450
(1960年10月14日)
スケールアップ版で、「スバル・マイア」の名で輸出も行われた
スバル360デラックス(1961年9月)
機能面の他、内装外装も豪快になった上位モデル(画像は1962年第9回東京モーターショー)
 
    スバル360カスタム(1963年8月15日)
本格的なバンタイプ。商用車としても活躍した
  スバル360スーパーデラッス
(1963年12月)
最上位モデルとして登場
第二回
日本グランプリレース
(1964年5月3日)
 
 
スバル360ヤングS
(1968年11月1日)
スポーティタイプだが、エンジンはノーマル
  アメリカ行き貨物船に詰まれる
スバル360(1968年10月13日)
スバル360ヤングSS(1968年11月30日)
36PSエンジンを搭載、最高速度120km/h



参考資料:富士重工業株式会社 編集委員会 編『スバルを生んだ技術者たち 富士重工業 技術人間史』(三樹書房)2005年